その鳥は吉原に夜がやってくると行燈を灯しにやってくるのだった。異国から買われてきた珍しい炎の鳥は店一番の花魁が上客から貰ったという。
 あちきも、おまえさんも、この吉原の籠の鳥。
 店の遊女達は名も知らぬ異国の鳥に他人とは思えぬ縁を感じていた。